成熟社会の礎を育むインクルーシブな学校教育について研究中私の研究テーマは「多様性を尊重し受容する環境づくり」です。障害や病気をもつ子供たちと健常な子供たちが、共に学び共に育つ環境をつくるにはどうしたらよいのかを多面的に研究しています。一つの例として、子供達の障害に関する意識の問題があります。現在の教育現場は、健常者の障害者への理解を促す『障害理解教育』に力点を置いていますが、障害や病気のある子供たちが自分のそれらを前向きに受け入れる『障害受容』の感覚を涵養することも重要であると考えています。子どもが自身の障害等を前向きにとらえることができるような環境や集団、機会を、周囲の大人がどのように用意していくか、これが研究テーマとなっています。自分の障害等を肯定的に受け止める姿勢が、周囲の健常な子どもたちにとってもポジティブな影響をもたらす、つまり、「障害理解」と「障害受容」の相乗効果に多様性を尊重する意識が育つ鍵があると考えます。
このように多様な背景をもつものが共に互いを認めあいながら生きる成熟した社会の実現に資する学校教育・子供の育成について、学校現場や社会福祉等の現場をフィールドとして研究しています。