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伊集 守直

Morinao Iju

#研究テーマ
スウェーデンの財政 日本の財政問題と政府間財政
#所属
横浜国立大学国際社会科学研究院
#関連リンク
・研究活動詳細

成熟社会を支える財政とはどのようなものか

 財政学というのは、政府部門の経済活動を扱う学問領域ですが、私たちが公共サービスとして政府に何を求め、そのための財源を租税としてどのように負担するのか、という政治的意思決定や民主主義の機能といった問題も分析対象に含められます。 

 これまで日本の財政問題を念頭に置きながら、スウェーデン財政の研究を行ってきました。高福祉・高負担の国として知られるスウェーデンですが、他の先進諸国と同じく1980年代以降にはさまざまな経済・財政問題を抱えてきました。持続可能な社会のあり方を模索する中で、予算制度や税制度、社会保障サービスの見直しのほか、地方政府に対する権限移譲や住民自治の活性化など、多くの取り組みが行われています。このような問題領域について、日本に対する示唆を引き出すことを意識しながら研究しています。 

「成熟社会」という言葉は、経済成長や物資的な豊かさだけでなく、人々の暮らしの質や精神的な豊かさを重視する社会を指すことが多いですが、現在の日本社会は「成熟社会」に向かっているというよりは、むしろ後退しつつあると捉えた方が正しいのかもしれません。このコンソーシアムでは、他分野の先生方との共同研究を進めながら、「成熟社会」のイメージを具体化し、いまの私たちの社会に求められる課題解決のあり方を模索してみたいと考えています。 

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